2025.06.26

技術と事業の架け橋として、価値創出を目指す──「選ばれ続ける」サービスを支える開発とは

ネット市場が成熟しつつあるなか、「アクセストレード」は次の成長に向けて転換期を迎えています。
2024年10月に執行役員に就任したマーケティングシステム開発部長・玉城に、開発と事業の橋渡し役としての役割、今後の展望、そして今、”開発に求められる価値”ついて話を聞きました。

執行役員　マーケティングシステム開発部長

玉城　慎也

事業戦略と技術の橋渡し役として

──執行役員として、現在の役割について教えてください。

現在、私が担っているのは大きく2つの役割です。1つは、事業戦略と技術の橋渡しとして、経営の意図を開発現場に正しくつなぐこと。もう1つは、技術の視点から経営判断を支えることです。
　
事業部門とシステム部門がしっかり連携し、一体となって課題に向き合う。そのうえで、プロダクトを通じてどれだけビジネス価値を生み出せるかが、今あらためて重要になっていると感じています。

──執行役員になって何か変化はありましたか？

意識の面では大きく変わりましたね。以前から「どうすれば事業に貢献できるか」は意識していましたが、今はさらに広い視点で、「貢献のために何ができるのか」という問いが増えました。特に、アフィリエイト市場が成熟期に近づいている中で、「アクセストレードは次にどこで価値を出していくのか？」という問いと向き合う時間が増えています。

「課題の本質」に向き合う開発で、事業に応える

──アクセストレードの開発チームとして、今どんな役割が求められていると感じていますか？

開発チームに求められているのは、「価値の提供」だと考えています。単にシステムを構築することではなく、事業の成長を下支えする技術基盤の整備や、ビジネス価値の最大化にどう貢献できるかが重要です。開発を通じて課題を解決する仕組みやプロダクトをつくることが、私たちの役割だと思っています。

──どんなプロダクトを構築していきたいと考えていますか？

まず、売上に貢献するという点では、事業側が「顧客に価値をもたらす」「提案しやすい」と感じられるプロダクトをつくっていきたいと考えています。現時点でもある程度の仕組みは整っていますが、技術的な制約で実現できていない部分もあります。そこをどう乗り越えるかが、今後の開発における重要なテーマだと思っています。
　　
また、業務効率の面でも、事業側が日々行っている作業的な業務をシステムで置き換えることで、人のリソースをより本質的な仕事に集中させたい。組織としての生産性を高める意味でも、開発チームとして取り組んでいきたいです。
　　
そのためには、事業部門との連携は欠かせません。開発側にどれだけ“つくる力”があっても、「何をつくるべきか」の方向性が事業側とズレていれば成果にはつながりません。特に、開発コストが大きい案件では、「やる意味」や「成果への納得感」が重要になります。決裁する側も、ある程度の成功確度が見えなければ判断しづらい。だからこそ、技術だけでなく、事業や経営の視点を持って意思決定していくことがますます求められていくと感じます。

プロダクト改善が経営数値に与えるインパクト

──プロダクトの改善や開発の方向性は、どのように経営に影響すると考えていますか？

プロダクトの改善や新機能の開発は、顧客体験に変化をもたらすだけでなく、社内の業務や意思決定のあり方にも影響を与え、最終的には経営数値にも反映されていくものだと考えています。
　　
だからこそ大切なのは、「その課題は、本当に顧客が対価を払ってでも解決したいと思える本質的なものか」を見極めること。ここを見誤れば、どれだけコストや工数をかけて開発しても、大きな成果にはつながりません。
　　
一方で、顧客の本質的な課題にしっかり向き合い、それを解決できれば、それが売上にも信頼にもつながっていきます。だからこそ、課題の見極めはとても重要だと思っています。

──BtoBの顧客接点で、今“本質的に解くべき課題”とは何だと思いますか？

BtoB領域では、「課題の解像度をどこまで上げられるか」が成果に大きく影響すると感じています。特にこの領域では、経営層から現場、管理やシステム部門まで、多くの関係者が関わるため、同じ課題でも立場によって見え方や優先度が大きく異なります。
　　
だからこそ、課題を抽象的なまま捉えてしまうと、提供する解決策が本質からズレてしまい、期待される成果にはつながりません。
　　　
大切なのは、「誰が」「どんな状況で」「なぜ困っているのか」を具体的に理解すること。それが、プロダクトの方向性や改善策の精度を高め、結果として事業成果へとつながっていくと考えています。

チームの課題と、これからの挑戦

──開発チームとして、現在の課題をどのように捉えていますか？

今後は、より大きな経営課題にも応えられるような、課題解決力を持った開発組織に進化していく必要があると感じています。
　　
個人のスキル強化はもちろん、チーム全体で難易度の高いテーマにも取り組める体制づくりを目指したいです。

成熟市場で、どう価値を生み出すか

──これから開発組織として挑戦していきたいテーマは何ですか？

今のアフィリエイトサービスにおける、システムの開発組織としては、限られたリソースのなかで、いかに最大限の価値を提供できるかが問われています。そのなかで、私たちが今実際に導入し利用しているのが「GitHub Copilot」の活用です。これはエンジニアがコードを書く際にAIが提案をしてくれるツールで、特に新しい技術やフレームワークを導入する際のハードルと工数を下げてくれます。
　　
プロトタイプの開発スピードが上がり、繰り返し作業の効率化も進むことで、生産性や品質の向上を実感しています。こうした積み重ねが事業全体のスピードアップにもつながり、これまで以上に新しい機能やプロダクトを迅速に届けられる体制を目指しています。コスト削減や顧客満足度の向上といった、事業価値への貢献にもつながる、大きな可能性を感じています。

──インフラ領域では、どのような工夫をしていますか？

インフラ面では、コストの最適化に力をいれています。物価や為替の変動、マーケットの環境変化によりコストが上昇する中、安定したパフォーマンスを保ちつつコスト効率を高める必要があります。たとえば、高価格帯の製品をよりコストパフォーマンスの良いものに切り替えるなど、日々見直しを行っています。

──最後に、今後の展望を教えてください。

当社の企業理念である「Win-Winをつくり、未来をつくる。」に沿い、我々開発組織としての理念は、「顧客ニーズに対応した、価値あるソリューションを提供する」ことです。そのためには、課題の本質を見極め、最適な方法で解決していくことが重要です。
　
もちろん、スピード感ある判断や意思決定も重要ですが、それ以上に重視しているのは、「本質的な価値とは何か」を問い続ける姿勢です。
　
選ばれ続けるサービスを支える開発基盤と組織をさらに進化させ、これからも事業の成長と企業価値向上に貢献していきたいと考えています。