2025.06.24
「価値を生む開発」を組織の文化に──事業の未来を提案できるエンジニアへ
WEBメディアを取り巻く環境は、いま大きな転換点を迎えています。そんななか、開発にも「事業を前に進める視点」がこれまで以上に求められています。2024年10月、執行役員に就任したメディアシステム開発部長・佐久間に開発と経営をどうつなぎ、「価値を生む開発」をどう組織に根づかせていくのか。エンジニア組織のこれからについて話を聞きました。
執行役員 メディアシステム開発部長
佐久間 李花
経営に加わって見えた、”会社全体への貢献”という視点
──執行役員に就任して、これまでと最も変化を感じたのはどんな点ですか?
一番の変化は視座ですね。現場の延長ではなく、メディアの枠を超えて「会社全体にどう貢献するか」を考えるようになりました。以前はエンジニアとしてメディア事業に注力していましたが、今はグループ子会社も含めた横断的な連携を意識し、技術の力でシナジーを生み出せる体制をつくっていきたいと思っています。
技術の”相談役”して、全社を支える
──経営陣の一員として、どんな役割が求められていると感じますか?
CTOがいない体制なので、技術的な判断に迷ったときにすぐに相談できる「技術の相談役」として、経営判断をサポートする役割を期待されていると感じます。
また、開発面で課題を抱えている部署へのアドバイスや、こちらから能動的に開発支援を行う体制の構築も進めています。
情報セキュリティ委員会の立ち上げやコストマネジメント支援、ツール選定のアドバイスなど、ガバナンス強化にも取り組んでいます。
「価値を生むために、つくる」開発組織へ
──開発組織として、どのような進化を目指していますか?
AIが急速に進化している今、「つくれる」だけではなく、「事業やサービスの成長にどう貢献するか」を意識できるエンジニアを増やしていきたいです。「価値を生むためにつくる」というマインドを、開発組織全体に根付かせたいと思っています。
私自身も経営の立場から、開発視点で積極的に事業やサービスの未来を提案していく姿勢を大事にしています。
AI活用を、組織の進化につなげる
── 今注力している技術領域について教えてください。
やはりAIです。現在は、AI活用のための開発環境整備や、社内ポリシーの策定に取り組んでいます。
すでに一部のグループ子会社では AI活用による業務効率化が進んでおり、 今後はエンジニアだけでなく、事業側でも活用の幅を広げていきたいと考えています。
また、当社メディアには長年蓄積された膨大なデータがあります。これを適切に取り扱いながらAIで分析することで、コンテンツ改善や新たな価値の創出につなげられると期待しています。
本質的なニーズを捉え、価値あるプロダクトへ
──プロダクト開発において、特に意識している点は何でしょうか?
ユーザーインサイトを正しく捉えることです。ユーザーが本当に求めていることを見極め、それをプロダクトとして形にすることが、結果的に事業の成長につながると実感しています。
たとえば「ママスタ」は月間9.6億PVを誇るメディアですが、PVやユーザー行動の分析には相応のコストもかかります。それでも、正確なインサイトへの投資は非常に大きな価値があると考えています。
変化する時代に、「メディアの存在意義」を問い直す
──WEBメディア事業全体について、どんな課題と可能性を感じていますか?
今、WEBメディアを取り巻く環境は大きな転換点を迎えています。PV至上主義からの脱却が求められ、AIの進化によって検索行動も変化しつつあります。こうした時代だからこそ、未来を見据えてメディアとしての存在意義を再定義し、より深い価値を提供していくことが必要だと感じています。社内でもAIナレッジの共有が進み、新しい技術を取り入れてサービスを進化させようという動きが活発になっています。
自由とスピードが、会社の強み
──経営の視点から見た、会社の強みや課題を教えてください。
強みは、事業側と開発側の距離が近く、スピーディに連携できること。そして、新しい挑戦に寛容な、自由度の高い社風も大きな魅力です。
AIやセキュリティなどのテーマにも柔軟に取り組める土壌があります。一方で、変化の激しい時代において、どれだけスピーディに対応し続けられるかは大きな課題です。
AIは、これまでのWEBのあり方を大きく変える可能性があります。だからこそ、危機感を持ちながら、柔軟性とスピードをもって取り組んでいきたいと思っています。
新しい価値を、技術で届ける
──最後に、今後の展望を教えてください。
メディア事業では、広告モデルだけではない新たな事業展開が始まっています。
開発組織としても、事業と密に連携しながら、ユーザーにとって本当に価値ある体験を届けていきたい。良いアイデアがあれば、すぐに動ける体制も整っています。これからも、技術を軸に「メディアの未来」をつくっていきたいと思います。
新体制、はじまる。─ 執行役員たちの決意
【#1】代表取締役社長
【#2】執行役員 HR戦略推進室長