Home ブログ CORPORATE INTERVIEW 「上りのエスカレーターは終わり。」河端が語る、インタースペースの変革の現在地

「上りのエスカレーターは終わり。」河端が語る、インタースペースの変革の現在地

インターネット産業が成熟期を迎え、 AIが台頭する今、インタースペースは「今まで通りでは通用しない」という危機感の中で、評価制度の刷新や、「IS SHIFT PROGRAM」をはじめとした人材育成への投資など、組織変革を進めてきました。 

なぜ今、組織を変える必要があったのか。そして、その先にどのような未来を描いているのか。変革の背景にある問題意識と、これから目指す会社の姿について、代表の河端に聞きました。 

 代表取締役社長 河端 伸一郎  

 

「上りのエスカレーター」は終わった。変革に取り組む背景 

 

――組織変革に取り組み始めたのは、なぜですか? 

 

大きく二つあります。 
    
一つは、社会全体の話です。働き方改革の流れの中で「働きやすさ」を追求することは、もちろん大事だと思っています。ただ、それだけでは足りないとも感じています。
仕事は人生の中で多くの時間を使うものです。その中で、お客さんの課題を見つけて提案し、「ありがとう」と言ってもらえたとか、自分の工夫が成果につながったとか、そういう実感を持てることも大切だと思うんです。そうした経験が増えるほど、人は成長するし、組織も強くなり、楽しさも感じやすい。だから私は、改めて働きやすさだけではなく、働くことの面白さややりがいも大事にしたいと思っています。
    
もう一つは、インターネット産業そのものの変化です。創業から20数年、PCインターネット、モバイル、ソーシャルと時代の波に乗って成長してきました。ただ、2020年前後から市場は成熟期に入りました。これまでは市場そのものが伸びていたので、頑張れば成果につながりやすかった。でも今はそうではありません。当然ながらAIの存在による変化です。「さようならインターネット、こんにちはAI」——それくらい大きな転換点を、業界全体が迎えている中で、当然ながらこの変化への対応は避けて通れません。 

 

 

――成熟期が来たことで、事業や組織に対してどんな課題を感じていましたか?

 

戦略の必要性ですね。 
   
今まではいわゆる上りのエスカレーターだったと思うんです。多少やり方が粗くても、がむしゃらに頑張れば成長できた。 でも成熟期から変革期をむかえるマーケットでは、ただ頑張るだけでは通用しません。何をやるのか、どこで勝つのかを考えながら動かなければいけない。 
ただ、お客さんの求めるものは変わってきているのに、自分たちはこれまでと同じことを拡大しようとしていた。本来であれば、お客さんのニーズに合わせてサービスそのものを見直さなければいけないのに、組織がそこまで変われていなかったんです。
   
「戦略」という言葉はよく使われます。でも本当の意味で戦略的なストーリーを描いて成功してきたかというと、そうでもなかった。上りのエスカレーターに乗っていたから登れていただけで、これからはそうはいかない。だからこそ、正しく考えて、正しく動ける人材を増やしていかなければいけないと思いました。 

 

AI時代に選ばれる会社になるために 

 

――5年後・10年後、インタースペースをどんな会社にしていきたいですか?

 

顧客課題に対して、継続的に新たなソリューションを提供できる会社にしたいと思っています。
   
思い付きでサービスを提供してたまたまヒットした、ヒットしないということではなく、お客さんの事業や市場環境の変化に合わせて、「次はこれが必要ですよね」と提案し続けられる会社です。顧客のニーズに伴走しながら価値を出し続けられる存在になりたいと思っています。
    
その中心には、言うまでもなくデータとAIがあると思っています。 AIによって、これまで人が時間をかけてきた分析や仮説立てが大きく変わっていく。優秀なマーケターだけができていたことを、より多くの人ができるようになる。よく言われるように人は作業ではなく、本当にクリエイティブな判断や意思決定に時間を使うべきなのは言うまでもありません。
    
データやAIを活用しながら、顧客の課題を見つけて解決する。そのサイクルを継続的に回せる会社になっていきたいですね。 

 

――そのために、組織として強化したいことはありますか?

 

社員一人ひとりが、お客さんのことをお客さん自身のように語れる組織にしたいですね。 
でも実際には、提案書を作るとどうしても自分たちを主語にしてしまいがちです。「私たちのサービスはこうです」ではなく、「御社の課題はこれではないですか」「あなたはこれを欲してますよね」と話せるようになる。
    
お客さんの課題を理解し、仮説を立て、意思決定し、実行して、検証する。そういう思考が当たり前になっていくことが重要だと思っています。 

 

変革を進める、難しさのリアル 

 

――組織を変えることの難しさは、実際のところどうですか?

 

いっぱいあります。むっちゃあります(笑)。 
  
一つ言うなら「スピード」と「目的の浸透」のバランスです。例えば、スピードを優先するなら「これをやってください」「いつまでにやってください」と指示を出せばいい。でもなぜそれをやるのかを理解していないと、想定外のことが起きた時に対応できない。かといって、理解してもらおうとするとスピードは落ちる。そのバランスが難しい。
   
具体的には、新しい提案をお客さんにしようとしても、既存のやり方に慣れきっていると断られた時も表面的な理由で止まってしまい、なぜ断られたのかを構造的に考えられない。個人の問題というより、それで成立してしまっていた環境の問題でもあります。 こうした課題を一つひとつ認識しながら、変えていくことが経営の仕事だと思っています。 

 

「知っている」と「できる」の差を埋める 

 

――そうした危機感の中で、なぜ「IS SHIFT PROGRAM」の導入に踏み切ったのでしょうか? 

 

成功の再現性を高めるために各事業で「戦略」を考え、実行できる人材を増やす必要があるのに、「戦略」という言葉への認識が一致していないという経営課題がありました。
   
当社のメンバーは現場に強い人が多い。でも成熟したマーケットでは、それだけでは足りない。お客さんの課題を整理して、どこに勝ち筋があるのかを考え、実行まで落とし込める人材が必要になってきます。 現場に存在する一つのことを点の事象としてとらえずに、一般化、共通化をする。そのうえで一番共通する重要な解決策にフォーカスする。そうでないといつまでも問題のモグラたたきをし続けることになり、結果も出ないし、組織も疲弊します。 個人の才覚に依存した組織では、再現性のある成長は難しい。 だから企業として共通言語を持てる経営人材の育成に投資しようと決めました。
  
グロービスのプログラムを選んだのは、非常にスタンダードなプログラムを提供していて経営の共通言語を持てるからです。かつケーススタディを通じて理論と実践を行き来できるので、自分たちが直面している課題にも置き換えて考えやすい。 実は私自身も、会社を立ち上げた頃は経営のことなんて何もわからなくて、本屋に行ってグロービスのMBAシリーズをよく読んでいました(笑)。 

 

――受講者の様子を見ていて、印象に残った変化はありましたか?

 

受講したメンバーが「知っていること」と「できる」ことの違いを認識したことですね。 
正直に言うと、講義の中で出てくる用語についてはみんな知っているんですよ。聞いたことあるし、使ったこともある。 でも、本当に理解して使えているかというと、そうではないことも多かった。 
  
例えば「差別化」。「うちの差別化ポイントはこれです」と言うんだけど、本当に競争優位性になっているのかと聞くと、意外と答えに詰まることがある。 
SWOTをやりました、3Cをやりました。その結果、「営業力を強化します」。でも、それは本当に分析から導かれた結論なのか。分析をすることが目的になっていて、そこからどう戦うのかまで一つのストーリーとして落とし込めていないケースが多いと思います。  受講後のアウトプットを見ていると、そういう当たり前だと思っていたことを改めて問い直すようになってきた。それは大きな変化だと思います。 

 

――組織全体にはどんな波及効果を期待していますか?

 

受講して、現場で実践した結果メンバーから信頼され、尊敬されるリーダーが増えてほしいですね。
  
受講者が10人いて、その部下が10人いたら、100人がその考え方に触れることになります。共通言語が広がることで、成功体験をもち、次の人材がまたそのノウハウと経験を基に次の世代の信頼と尊敬を得られるようになる。それがIS SHIFT PROGRAMを通じて起きてほしい変化です。 

 

AI時代だからこそ、人を採る 

 

――採用を強化していくと聞きました。採用についての考え方と、どんな人に来てほしいかを教えてください。

 

AIがどれだけ進化しても、最初に問いを立てるのは人間です。そして最後に人を動かすのも、人の熱だと思っています。どんなにツールが変わっても、気づきを与えてくれた人、背中を押してくれた人がいたから行動できた。そういう経験は誰にでもあると思うんです。だからこそ、人への投資はこれからも重要だと思っています。
   
当社が求める人物像は、間違ってもいいから仮説を立てて能動的に動ける人ですね。言われたからやるのではなく、自分で考えて動ける人。失敗するなら早く失敗して、次に進めばいい。
   
仕事の熱量も大事にしたい。熱を持ってやりきって、結果を出して、みんなで喜ぶ。令和の時代になってあまり好まれないフレーズですが、そういう体験が積み重なることで、仕事が楽しくなるし、人生も豊かになると考えています。そういう考え方で一致できる人と一緒に働きたいと思っています。 

 

 

もう一度、変える側へ 

 

――最後に、今後のインタースペースが目指す姿を教えてください。

 

当たり前ですが「顧客の課題を顧客よりも明確に理解して解決できる集団になる」ということですね。
  
頑張ることは必要です。でも、頑張るだけでは勝てない時代になった。何のために、どこに向かって頑張るのか。それを自分たちで考えて動ける組織にしていくことが、今の経営の最優先事項だと思っています。
   
20数年前、何も持っていなかった頃のインタースペースは、間違いなく変える側だったと思うんです。今は何かを持っている側になったからこそ、放っておけば変えられる側になる。だからもう一度、この波に対して変える側に回る。そのために今、人と組織に投資しています。経営として描いている絵は明確です。あとはどれだけスピーディーに実行できるか。それだけだと思っています。 

 

 

 

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