「if」の意味と使い方知ってる？英語の「もし～なら」や「～かどうか」をマスターしよう

長尾 浩市 株式会社EduMe代表

株式会社EduMe 代表　
アメリカ大学院にて英語教授法(TESL: Teaching English as Second Language) の修士を取得。

その後、高校生や大学生に英語を教えて20年。TOEFL指導や海外大学留学支援なども手がける。

現在は、子供向け英語プログラミング塾「ワンダーコード」を運営。

中高英語教員免許 / 英検１級 / TOEIC980点

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条件を提示したり仮定の話をする時に活躍する「if」。
英語の授業でもかなり早い段階で学習する「if」ですが、いろいろな用法があり様々に文型が変化するので混乱してしまうという人もいるでしょう。

今回は、英語の接続詞「if」の使い方や用法ごとの意味・訳し方などを解説します。
「if」は英会話の基本単語なので、使い方をしっかりと整理しておきましょう。

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英語の「if」とは

英語の「if」は、現実的な条件を提示したり実際には起こらなかったことを仮定したりする節の初めに置かれる接続詞です。
「if」の後ろには必ず「主語＋動詞」がセットで置かれ、コンマを挟んで提示した条件下で起こることを説明する文が続きます。

「if」は、「もし～なら」という意味を持つ副詞節の「if」と「～かどうか」という意味の名詞節の「if」に分類できます。
「もし～なら」の「if」はさらに以下の用法に分かれています。

直説法の「if」

まず、直接法の「if」の使い方を確認していきましょう。

〜するなら…だろう

「If＋主語＋動詞の現在形, 主語＋will＋動詞」の形で、現在または未来のある時点で「if」節の条件を満たした場合、その後何が起こるかを表現できます。
訳し方は「今～すれば、…だろう」「この先～ならば、その後…するだろう」などです。

未来のことを表現するので、後半の文節では動詞の原形の前に「will」や「can」、「want to」などが置かれ未来形になります。
しかし、「if」節の動詞の方は必ず現在形とするルールがあるので注意しましょう。

例文：If Jack confesses to me, I’ll start dating him right away.
意味：もしもジャックが告白してくれたら、わたしは今すぐ付き合い始めます。

例文：If Susan knows about my plans, she will definitely contact me.
意味：もしスーザンがわたしの計画について知っているなら、必ず連絡してくるでしょう。

「もし～ならば、…してください（…しないでください）」と命令文を作ることもできます。
命令文の場合も「if」の文節は必ず現在形です。

例文：If your plans change, please contact us immediately.
意味：もしも予定が変更になったら、すぐに連絡してください。

例文：If the price is high, don’t buy it.
意味：もし値段が高くなっていたら、買わないでください。

～ならば…になる

「If＋主語＋動詞の現在形, 主語＋動詞の現在形」の形で、「～ならば、（常に）…になる」と常識や一般的に認められる法則を表すこともできます。
未来のことを表現するのではないので、「if」節も後半の文節も現在形です。

例文：If you don’t put ice cream in the freezer, it will melt quickly.
意味：アイスは冷凍庫に入れなければ、すぐに溶けます。

仮定法の「if」

「もしそれが起こったら～」と仮定する「if」の使い方も整理しておきましょう。
仮定の話として想像しているだけなので、「if」節の状況は現実には起こりえないことや実際には起こらなかったこと、また話し手自身は起こらないと思っていることです。

〜だったとしたら…だろうに

「If＋主語＋動詞の過去形, 主語＋would / could＋動詞」の形で、今現在の状況や現実がもし「if」節の条件を満たしたものだったらどうなるか、どんなことが起こるかを表現できます。
この用法は「仮定法過去」と呼ばれ、「もしも今～だったら、…だろうに」「もし今～だとしたら、…するのに」などと訳されます。

「仮定法過去」では、「if」で始まる文節では動詞の過去形が、後半の文節では「would」「could」などの推量の助動詞が使われます。

例文：If I hadn’t caught a cold today, I would have gone to the aquarium with Robert.
意味：もし今日風邪をひいていなかったら、ロバートと水族館に行ったのに。

例文：If the Shinkansen were available, I would be able to go home more often.
意味：もし新幹線が通っていれば、もっと頻繁に帰省できるのに。

あの時もし～だったら…だっただろうに

「仮定法過去完了」は、過去の状況や過去の現実がもし「if」節の条件を満たしたものだったらどうなっていたか、どんなことが起こっていたかを表します。

「仮定法過去」は「今現在～だったら」と仮定した話でしたが、「仮定法過去完了」は「過去の時点で～だったら」と仮定する用法です。
「あの時もし～だったら…だっただろうに」「もしあの時～できていれば、…しなかったのに」などと訳されます。

文型は「If＋主語＋動詞の過去完了形, 主語＋would / could＋動詞の現在完了形）」です。
動詞の過去完了形は「had＋過去分詞」、動詞の現在完了形は「have＋過去分詞」を使います。

例文：If you had arrived at the station on time, you could have caught the train.
意味：もしナンシーが待ち合わせに遅刻しなかったら、映画を見られたのに。

例文：If I hadn’t answered that question incorrectly, I would have gotten 100 points.
意味：もしあの質問の回答を間違えなかったら、100点が取れたのに。

〜するなら…だろう

「If＋主語＋should＋動詞, 主語＋should / would / might＋動詞」の形で、もしこれから先の未来で「if」節の状況が実現したらどうなるか、どんなことが起こるかを表現します。
訳し方は「もし今後～するなら、…だろう」「もしこの先～なら、…するだろう」などです。

この用法は「仮定法未来」と呼ばれ、「if」節では今後起きる確率は低いと思われる状況を仮定します。
その状況は多分起こらないだろう、起こる確率はほぼゼロだろうという場合には、「if」節では「should / would / might」ではなく「were＋to不定詞」が使われます。

例文：If this rain should continues, the town I live in would be destroyed.
意味：もしこの雨が降り続いたら、私の住む町は壊滅するでしょう。

「～かどうか」の「if」

最後に紹介する「if」の用法は、「（主語）が～かどうか」という意味を持つ名詞節の「if」です。
主語や補語として使われることもありますが、通常は「if＋主語＋動詞」の形で目的語の位置に置かれます。

名詞節の「if」は現在形、未来形、過去形、現在完了形など様々な時制に変化させることが可能です。

例文：It is still unclear if he will be able to study abroad in Australia.
意味：彼がオーストラリアに留学できるのかどうかは、まだわかりません。

例文：Do you know if Timothy will be going on a business trip to Osaka next week?
意味：来週、ティモシーが大阪に出張するかどうかわかりますか？

副詞節の「if（もし～なら）」と混同してしまう場合には、「if＋主語＋動詞」の後ろに「or not」を付けるか「whether（～かどうか）」で言い換えましょう。

例文：It is still unclear whether he will be able to study abroad in Australia.
意味：彼がオーストラリアに留学できるのかどうかは、まだわかりません。

まとめ

今回は、英語の接続詞「if」を用法ごとに分類して意味や使い方を解説しました。
この機会に、条件を提示したり仮定の話をしたりできる「if」の使い方を整理しておきましょう。