英語の「to不定詞」の使い方をマスターしよう！3つの用法の見分け方も解説

Shiho 都内外資系勤務 / ライター

10歳の時に通い始めた英会話教室の影響で英語に興味を持ち、以来20年以上にわたりずっと英語の勉強を続けている。

高校生の時に英語スピーチコンテストで優勝経験あり。語学の有名な某四年制大学の外国語学部英語学科を卒業。留学経験はないながらも、TOEIC L&Rテストでは独学で925点を取得。現在は都内外資系企業にて、日々英語を使いながら仕事をしている。

また、会社員の傍らWebライターとして、英語学習コンテンツの制作にも携わっている。

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「to不定詞」などの英語の不定詞は、様々な用法や使い方があり混乱しやすい英文法のひとつです。
そこで今回は、そもそも英語の不定詞とは何か、どんな種類があるのか、そして不定詞の具体的な使い方を解説します。

「to不定詞」の3つの用法やそれらの見分け方も紹介するので、この機会にマスターしておきましょう。

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英語の不定詞って何？

英語の不定詞は、動詞を他の品詞（形容詞、副詞、名詞）のように使うためのものです。

主語が1人称、2人称、3人称、複数人と変化すれば通常は動詞もそれに合わせて語形変化しますが、不定詞の場合には動詞部分の語形変化が全くありません。
そのため、「限定されない動詞」という意味で「不定詞」と呼ばれています。

英語で「不定詞」は「infinitive（インフィニティヴ）」と言いますが、この単語もラテン語の「無制限、不定、制限されていない」という意味の言葉が語源になっています。

英語の不定詞は大きく分類すると2種類に分けられ、そのひとつは「to不定詞」です。
to不定詞は「to＋動詞の原形」という形で使われます。

もうひとつは「原形不定詞」と呼ばれる種類で、have、makeなどの使役動詞やsee、hearなどの知覚動詞の場合に「to」は省略され「動詞の原形のみ」で使われます。

to不定詞の用法

to不定詞には、「形容詞的用法」「副詞的用法」「名詞的用法」の3つの種類があります。
それぞれの使い方をひとつずつ確認しましょう。

形容詞的用法「～するための」

to不定詞の種類1つ目は、「～するための」や「～する」、「～するべき」、「～するような」などと訳される形容詞的用法です。
「to」を付けることで、動詞を形容詞のように扱うことができます。

形容詞とは、名詞や代名詞に説明や情報を付け加える品詞のことです。
to不定詞の形容詞的用法の場合には、必ず名詞の後ろに置いて後ろから修飾します。

例文：The living room is full of stuff and there is no place to sit.
意味：リビングには物が多くて、座る（ための）場所もありません。

例文：Hurry up! It’s time to go to school!
意味：急ぎなさい！学校に行く時間よ！

例文：There are many tasks to be completed this week.
意味：今週中に終わらせるべき課題がたくさんあります。

副詞的用法「～するために」

to不定詞の種類の2つ目は、動詞を副詞のように扱うことができる副詞的用法です。
副詞は、名詞や代名詞以外に説明や情報を付け加えて、動詞や副詞、形容詞、文章全体などさまざまなものを修飾する品詞です。

目的を補足説明している場合は「～するために」「～ように」と訳され、原因や結果という情報を付け加えている場合は「～して」「～した結果」と訳されます。

例文：She tried her best to dress up to get close to Robert.
意味：彼女はロバートと親しくなるために、一生懸命おしゃれをしました。

例文：My daughter grew up to be a famous lawyer.
意味：娘は大きくなって有名な弁護士になりました（成長した結果）。

例文：I’m so sorry to know of your decision.
意味：あなたの決断を知ってとても残念です（相手の決断を知ったことが原因）。

名詞的用法「～すること」

to不定詞の種類3つ目は、「～すること」という意味の名詞的用法です。
「to」を付けることで、動詞を名詞のように扱うことができます。

名詞的用法では、「to＋動詞の原形」が置かれる位置によって少しずつ訳し方が変わります。
主語の位置に置かれた場合は「～することは」「～することが」、目的語の場合は「～することを」、補語になる場合は「～することだ」「～することである」と訳されます。

例文：Jack decided to ask her to marry him.
意味：ジャックは彼女に結婚を申し込むことを決意しました。（目的語）

例文：Her hope is to go on to graduate school.
意味：彼女の希望は大学院に進学することです。（補語）

例文：To reduce food loss is good for the environment.
意味：フードロスを減らすことは環境に良いです。（主語）

ことわざのような慣用表現ではない場合、名詞的用法のto不定詞を文頭に置くのは一般的ではありません。
通常、to不定詞は後ろに置き「it」で代用する文型が使われます。
上の例文なら以下のような形の方が自然でしょう。

例文：It’s good for the environment to reduce food loss.
意味：フードロスを減らすのは環境に良いことです。

to不定詞の見分け方は？

to不定詞の3つの用法「形容詞的用法」「副詞的用法」「名詞的用法」はどのように見分けられるのでしょうか？

まずは、文章の中でto不定詞が「どの品詞の役割を果たしているか」を確認します。
to不定詞が主語や目的語、補語になっていて「～すること」と訳せるなら名詞的用法です。

一方、to不定詞が名詞のすぐ後ろに置かれ、その名詞に説明や情報を加えているなら、「～するための」や「～するべき」と訳す形容詞的用法だと分かります。
最後に、to不定詞が名詞や形容詞の役割を果たしていない場合は副詞的用法だと判断できます。

また、名詞的用法の「～すること」や形容詞的用法の「～するための」「～するべき」と訳してみて不自然に感じる場合には、副詞的用法である場合が多いです。

原形不定詞の用法

英語の不定詞のもうひとつの種類は、主語＋動詞＋目的語＋補語の文型で使われる「原形不定詞」です。
動詞の部分には必ず使役動詞や知覚動詞が使われ、補語の部分に「to」が省略された動詞の原形が置かれます。

～に…させる、～に…してもらう

原形不定詞と一緒に使われる使役動詞には「make」「have」「let」などがあります。
「～に…させる（許可する）」「～に…してもらう」という訳が一般的です。

例文：The teacher let Jack miss school tomorrow.
意味：先生はジャックが明日学校を休むことを許可しました。

例文：The director had him go on a business trip to the United States.
意味：部長は彼をアメリカ出張に行かせました。

～が…するのを見る、聞く、感じる

原形不定詞と一緒によく使われている使役動詞は、「see」「hear」「feel」「notice」などです。
通常「～が…するのを見る」「～が…するのが聞こえる」などと訳します。

例文：He noticed someone follow behind him.
意味：彼は誰かが後ろから付いてくるのに気付きました。

例文：I saw her buy a new bag.
意味：わたしは彼女が新しいバッグを買うのを見ました。

特別なto不定詞の使い方

to不定詞には、通常とは異なる使い方や訳し方をするもの、定番フレーズとしてまとまりで使うものがあります。
ここでは、少し特殊なto不定詞の使い方を3つ紹介しましょう。

be＋to不定詞

「be＋to不定詞」は形容詞的用法の一種で、to不定詞が補語として使われています。
「〜することになっている」というのが基本のニュアンスで、これから先に予定されていることや発生すること、これから先にするべきことなどを表現できます。

例文：The new video is to be available this evening at 8:00 pm.
意味：新しい動画は今日の夜8時に公開される予定です（公開されることになっています）。

例文：If you are to study in London, you should study British English conversation.
意味：もしロンドンに留学するつもりなら（留学することになっているなら）、イギリス英会話を勉強するべきです。

独立不定詞

「独立不定詞」は副詞的用法の一種で、熟語として慣用句化したto不定詞を指します。
定番フレーズとして文頭で使われ、その後に続く文全体を修飾するものが多いです。

疑問詞＋to不定詞

名詞的用法のto不定詞を疑問詞と一緒に使うと、「how to use（どうやって使うか）」「what to say（何を言うべきか）」「where to go（どこへ行ったらいいか）」などの表現が可能です。

例文：Please let me know what to say in my speech tomorrow.
意味：明日のスピーチで何を話せばいいか教えてください。

例文：I am new and not sure how to write an email to a client.
意味：新人なので、クライアントへのメールの書き方が分かりません。

まとめ

今回は、英語の不定詞のひとつである「to不定詞」とその使い方を中心に解説しました。
「to不定詞」の3つの用法の見分け方や少し特殊な不定詞の使い方も紹介したので、何度も復習して使えるようになりましょう。