ネットスラング「meme（ミーム）」ってどんな意味？「ミーム化」「ミーム動画」などよく使われるフレーズも紹介！

Shiho 都内外資系勤務 / ライター

10歳の時に通い始めた英会話教室の影響で英語に興味を持ち、以来20年以上にわたりずっと英語の勉強を続けている。

高校生の時に英語スピーチコンテストで優勝経験あり。語学の有名な某四年制大学の外国語学部英語学科を卒業。留学経験はないながらも、TOEIC L&Rテストでは独学で925点を取得。現在は都内外資系企業にて、日々英語を使いながら仕事をしている。

また、会社員の傍らWebライターとして、英語学習コンテンツの制作にも携わっている。

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インターネット上で様々な形に模倣・改変され広まっていく画像や動画、表現、コンテンツを意味する「meme（ミーム）」。
今回は、海外を中心に人気を博しているネットスラング「meme（ミーム）」の由来や「meme（ミーム）」が使われたフレーズを解説します。

海外や日本で大人気となった代表的な「meme（ミーム）」も紹介しますので、ぜひ楽しみながら読み進めてみてくださいね。

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「meme（ミーム）」の意味

「meme（ミーム）」は、「Internet meme（インターネットミーム）」というネット用語を省略した言葉です。
日本では「ネットミーム」という呼び方が定着し始めています。
複数形は「memes（ミームズ）」で、「The 20 best Memes of 2023」などミームのランキングも毎年更新されています。

「Internet meme（インターネットミーム）」は、インターネットを介してある動画・画像・表現・言葉・情報などが模倣を繰り返しながら、広く拡散されていく様子・現象を指しています。
元になった画像や映像をより面白く受けがいいコンテンツにするため、表現を足したり言葉を書き換えたり、ジョークや皮肉などを付け加えたりしたものが多いです。
日本語では「流行語、ネタ」という言葉が近いでしょう。
「meme（ミーム）」となったコンテンツは「meme動画」「meme画像」などと呼ばれます。

「meme（ミーム）」は主に、インターネット上のブログやサイト、Twitter（現・X）やInstagram、Facebook、YouTube、TikTokなどのSNSによって広まります。
SNSで話題になったり流行ったりする「meme（ミーム）」の元ネタは、「バズっている」「炎上している」などと表現されます。

海外の「meme（ミーム）」を楽しむには、短い動画を気軽に見られる「9Gag」がおすすめです。

「meme（ミーム）」の由来

「meme（ミーム）」は、動物行動学者・進化生物学者のリチャード・ドーキンス博士が1976年に出版した本の中で使った造語です。

ドーキンス博士は、社会の中で模倣されながら広まっていく行動や流行を表現するため、まずギリシャ語を語源とした「mimeme」という言葉を造りました。
「mim」は「模倣」という意味で、「eme」は「～素」という名詞を作る接尾辞です。

その後「mimeme」を省略した「meme（ミーム）」という言葉が生まれました。

「meme（ミーム）」を使った言葉

「meme（ミーム）」という言葉が含まれた単語の意味を紹介します。

ミーム化

あるコンテンツが「meme（ミーム）」であるかは、インターネット上に登場した後話題になり、模倣され広まっていくかどうかで決まります。
ネット上に登場した時点では、まだそのコンテンツが「meme（ミーム）」にあたるかは分からないのです。

このように、もともと多くの人に知られていなかったある映像や画像などが話題となり、「meme（ミーム）」と呼ばれるにふさわしいコンテンツに変化することを「ミーム化」と表現します。

ミーム汚染

「ミーム汚染」とは、ある特定の「meme（ミーム）」に何度も触れているうちに、いつのまにか関係する言葉や画像、商品、情報などへの認識やイメージが変わってしまうことを指します。
例えばCMのキャッチコピーを聞くと、そのCMで紹介している商品が思い浮かぶといった具合です。

「汚染」と聞くとネガティブなイメージがありますが、「ミーム汚染」という表現は良くない方向への変化だけを表す言葉ではありません。

ミーム学

リチャード・ドーキンス博士が「meme（ミーム）」という言葉を造った後に、「meme（ミーム）」を研究する学問が登場しました。
この学問分野のことを「ミーム学」と呼んでいます。

「ミーム学」では、人間社会の中で文化的な情報やトレンドがどのように伝わり、変化・進化していくかを研究します。

「meme（ミーム）」を使った例文

「meme（ミーム）」というワードを使って会話をしてみましょう。

海外で人気のある「meme（ミーム）」

海外で人気のあるおすすめ「meme（ミーム）」を紹介します。

Badgers

「Badgers」は2003年9月に公開されたアニメーション動画で、イギリスのアニメーター、Jonti Picking（ジョンティ・ピッキング）によって制作されました。
このアニメーションは、「Badgers」つまりたくさんのアナグマが画面いっぱいに登場して踊り続けるというものです。

耳に残るメロディーとシュールさが人気を呼び、アナグマの衣装やシチュエーションを様々に差し替えた「meme（ミーム）」が次々と生まれています。

宇宙猫

日本では「宇宙猫」として有名なミーム画像です。英語では「Space Cat」「Galaxy Cat」などと呼ばれています。
通常、壮大な宇宙をバックに、真顔や驚いた顔の普通の猫が配置されています。
インターネットやSNS上で、自分の理解を超えた情報を発見した時や何か新しいことに気づいたり悟ったりした時に使われることが多いです。

「宇宙猫」は2006年頃から英語圏で広まり始め、現在では静止画だけでなく様々なバリエーションのJIF画像も多く作られています。
2013～2014年には日本でも人気が高まり、宇宙を背景に目を丸くする茶トラの猫の静止画がSNSなどでよく見られるようになりました。

Slender Man

日本では「スレンダーマン」と呼ばれる「Slender Man」は、2009年にEric Knudsen（エリック・クヌーゼン）の作品から生まれたキャラクターです。
黒いスーツを着て、異常に背が高く身体が細くのっぺらぼうの「Slender Man」は、長い触手で周囲の人を威嚇したり捕まえたりします。

能力や顔かたち、特性などがはっきり固定化されていないためパロディ作品を作りやすく、インターネット上では「Slender Man」を主人公にしたミーム動画が次々と作成されました。
その人気を追い風に、2012年に「Slender Man」はゲーム化し、2018年にはアメリカでホラー映画も制作されています。

Screaming Marmot

「Screaming Marmot」も、海外で様々な模倣動画を生んできた「meme（ミーム）」です。
日本では「絶叫するビーバー」と呼ばれていますが、実際にはビーバーではなくマーモットが登場します。
マーモットが大自然を背景に、思いっきり叫ぶ短いオリジナル動画がミーム化し広まりました。

マーモットの「ピーッ」という高い鳴き声を、男性の叫び声や美声での歌声に差し替えたり、アニメや映画とコラボさせたりした動画が多くあります。

tasukaru

海外で流行しているインターネットスラング「tasukaru」は、日本語の「助かる」が元になった「meme（ミーム）」の一種です。
意味も日本語とほぼ同じで、「You saved me（あなたはわたしを救ってくれた）」と感謝や嬉しさを表したい時に使われます。

インターネット上では「tasukaru」の子音部分を抜き出した「TSKR」という省略形で書かれることが多いです。
読み方はそのままアルファベット読みで「ティーエスケーアール」か、日本語と同じく「たすかる」と発音することもあります。

日本発の「meme（ミーム）」

元ネタが日本で作成され拡散された日本発の「meme（ミーム）」を紹介します。

5000兆円欲しい！

「5000兆円欲しい！」は、イラストレーターのケースワベさんが作成したロゴ画像が元ネタになっています。
パワーと勢いのある文字、美しくかっこいいデザイン、その中に込められた中途半端な金額の一個人の願望というシュールさが爆発的に人気を集めました。
現在では、「5000兆円」の部分を様々な願望に書き換えたり、アニメーション動画に作り変えたりした「meme（ミーム）」が拡散されています。

漫画のセリフを元ネタにした「meme（ミーム）」

日本の漫画に登場するキャラクターの有名なセリフが元になった「meme（ミーム）」も多くあります。
汎用性の高いセリフほど「meme（ミーム）」として模倣・改変され様々な場面で使われています。

「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」：ショー・タッカー（『鋼の錬金術師』より）
「だが断る」：岸辺露伴（『ジョジョの奇妙な冒険』より）
「あ…ありのまま今起こった事を話すぜ！」：ジャン=ピエール・ポルナレフ（『ジョジョの奇妙な冒険』より）
「お前がそう思うんならそうなんだろう お前ん中ではな」：式島滋（『少女ファイト』より）
「オレでなきゃ見逃しちゃうね」：モブキャラ（『HUNTER×HUNTER』より）

まとめ

今回は、インターネットやSNS上で様々に模倣・改変され広がり続ける「meme（ミーム）」について解説しました。
海外で人気の「meme（ミーム）」画像や動画も紹介しましたので、ぜひ友達と英語で会話する時の話題にしてみてくださいね。