英語で「ピンク色」って何と言う？様々な種類の「ピンク」の表現を覚えよう！

黒田莉々 英語研究家 / 翻訳家

三度のご飯の次に英語が大好きな「英語の人」。英文法や英文解釈が大好物。洋書や洋画が大好きで、そこから学んだ「使える英語フレーズ」は数知れず。
米国東部の四年制大学（社会学/文化人類学専攻）をCum Laudeで卒業。帰国後は大手英会話学校の専任講師を経て、大学レベルの英語講師を20年近く経験。

現在、フリーランスで著述業、通訳、翻訳業を営む。集英社よりビジネス英語の指南書「悪魔の英語術」を出版。TOEIC975点、英検１級

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「ピンク色」は人気のある色なので、日常生活の中では洋服にも小物にもよく使われています。
そんな「ピンク色」を英語ではなんと表現するのでしょうか？

今回は、英語での「ピンク色」の言い方から、様々な色味のピンクを表現するフレーズまで解説します。
英語の「ピンク」を使ったイディオムや熟語も紹介しますので、日常会話にぜひ取り入れてみてください。

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「ピンク」の一般的な英語表現は？

英語で「ピンク色」を表す場合、一般的には「pink」が使われます。
発音記号「píŋk（米国英語）」で、カタカナ表記をしてみると「ピンク」に近いです。

「pink」は日本語で言う「桃色」を指す色です。
ナデシコの花の色が桃色なので、「pink」は植物のナデシコそのものを意味することもあります。
スラングとして使う場合は、「左翼がかった人」というニュアンスであることが多いです。

日本語では「ピンク、桃色」というとセクシャルな意味で使われることもありますが、英語の「pink」にはそのようなニュアンスはありません。

「pink」は形容詞として使うと「桃色の、ピンク色の」、動詞として使う場合は「尖った物で軽く～を突く、突き刺す」という意味です。
また、「ピンク色がかった、思想的・政治的に左がかった」という意味の「pinkish」という形容詞も使われています。

様々な種類の「ピンク」の言い方

「ピンク色」には様々な種類があり、それぞれ英語でも呼び方が異なります。
一般的に使われる言い方から珍しいピンク色の名前まで紹介しましょう。

rose pink

「rose pink（ローズピンク）」はバラのピンク色が由来の色名で、「薄バラ色、淡紅色」を指します。
「rose-pink」という形で形容詞としても使われ、その場合は「薄バラ色の、淡紅色の」という意味です。

salmon pink

「salmon pink（サーモンピンク）」は、柔らかく淡い赤に近いピンク色に少し黄色味が入った色を指します。
この色名は文字通り魚のサケ（サーモン）の切り身の色が由来です。

魚の色が名前に使われているので、英語の色名としては珍しいと言えるでしょう。

shrimp pink

「shrimp pink（シュリンプピンク）」は、赤に近い柔らかいピンク色です。
「shrimp」とは食用の小エビのことで、その小エビを茹でた後の濃いピンク色に似ていることから名付けられました。

coral pink

「coral pink（コーラルピンク）」は、少しオレンジの入った柔らかいピンク色です。
「coral」とは海底に生息する珊瑚（サンゴ）のことで、「coral pink」は日本語では「珊瑚色」と呼ばれています。

peach

「peach（ピーチ）」は植物の「桃」を指す単語ですが、色名として使う場合は「桃のようなピンク色」を表します。
現在では人種差別の観点から使用されなくなりましたが、以前日本語で「肌色」と呼ばれていた少し赤みがかったオレンジ色に似た色です。

「peach」は、日常会話では「すてきな人、すばらしい物、美人」などを指すこともあります。

nail pink

「nail pink（ネイルピンク）」は、少し黄色味の入った薄いピンク色です。
「nail」とは「手足の爪」のことで、人の爪のピンク色に似ていることから名付けられました。

dawn pink

「dawn pink（ドーンピンク）」は、紫色と灰色の入った薄く淡いピンク色です。
「dawn」とは夜明けのことで、「dawn pink」は夜が明ける時の空の色が由来になっています。

「dawn pink」は、日本の色で言うと「東雲色（しののめいろ）」や「曙色（あけぼのいろ）」などが該当します。

cherry pink

「cherry pink（チェリーピンク）」は、少し紫色の入った濃いピンク色です。
「cherry」つまり「サクランボ」の色から名前が名付けられています。

「cherry」の一単語だけでも、「サクランボ色」を表す名詞として使われることがあります。
他に「cherry」はサクランボそのものやサクラの木などを指し、スラングでは「新品、初心者、良いもの」などを表す単語です。

shell pink

「shell pink（シェルピンク）」は、桜貝のような非常に薄く黄味がかったピンク色を指します。
「shell」は「貝殻」のことで、白い殻の内側に光が当たると淡いピンク色に光ることから名付けられました。

pastel pink

「pastel pink（パステルピンク）」は、パステル調のピンク色を指す色名です。
パステル調とは、白味がかった柔らかで淡い感じを意味します。

「pastel」は画材の「パステル、パステル画」を指す他に、パステルで描いたような「淡くやわらかな色彩、色合い」も表す単語です。

baby pink

「baby pink（ベビーピンク）」は、淡く明るいピンク色を指す色名です。
「baby」は「赤ちゃん、赤ん坊」を意味する言葉で、欧米で一般的に使われている赤ちゃん用の服の色から「baby pink」という名前が付けられました。

pale pink

「pale pink（ペールピンク）」は、白みがかった淡く薄いピンク色のことです。
「pale」は色の濃淡を表す時に使う形容詞で、「色が薄い、薄い色の」という意味を持っています。

bright pink

「bright pink（ブライトピンク）」は、明るく鮮やかなピンク色を指します。
「bright」は色の鮮やかさを表す時の形容詞で、色に対して使うと「明るい、鮮やかな」という意味です。

他に「bright」は、「輝いている、澄んだ、知的な、賢い、快活な」という意味の形容詞としても使われています。

fluorescent pink

「fluorescent pink（フルアレサントピンク）」は、蛍光ペンに使われるような明るく鮮明な蛍光色のピンクを指す表現です。
「fluorescent」は、形容詞として使う場合「蛍光の、蛍光色の」という意味になり、名詞として使う場合は「蛍光灯」を指します。

reddish-pink

赤みがかったピンク色は「reddish-pink（レディシュピンク）」と呼ばれることもあります。
「reddish」は「赤らんだ、赤みがかった、やや赤い、赤みを帯びた」という意味です。

洋服や化粧品など、微妙な色彩ニュアンスの表現が重要な商業分野では、さまざまなピンク色の名前が使われます。
花に由来するfuchsia（フューシャ）や、恥じらう頬の赤味を意味するblush（ブラッシュ）、bubblegam（バブルガム）やバレエのトゥシューズをイメージしたballet slippersなど、耳障りがよくイメージしやすい色の名前が多いです。

「ピンク」を使った英語のことわざやイディオム

英語の一般的な「ピンク」を指す単語「pink」を使ったことわざやイディオムを紹介しましょう。

in the pink

「pink」を使ったイディオムで有名なのは、「とても元気で、とても健康で、絶好調で」という意味の「in the pink」です。
「be in the pink of～（～の極致である、～の点で最高の状態である）」というフレーズで使われることもあります。

例文： She is in the pink. Every book she has written has been a bestseller.
意味：彼女はとても絶好調です。書いた本はどれもベストセラーになりました。

例文： My grandfather is in the pink of health and jogs every day.
意味：わたしの祖父はとても元気で、毎日ジョギングをしています。

pink-collar

「pink-collar」という形容詞は、「伝統的に女性が従事する、女性向きの」という意味のイディオムです。
歴史的に女性の仕事と考えられてきた職種や現在でも女性が就く傾向が高い職業を指して使われます。
例えば、美容・看護業界、教師や秘書、保育士やベビーシッターなどが挙げられるでしょう。

「pink-collar」とみなされる分野・業種のことは「pink-collar job」、そうした仕事に就く人は「pink-collar worker」と呼ばれます。

「pink-collar」は、「pink」という色に女性のイメージがあることから生まれたイディオムです。
職業や職種を色で表す表現には、他にも「blue-collar（肉体労働者の）」や「white-collar（頭脳労働者の、サラリーマンの）」などがあります。

例文： In the past, in Japan, nursing was seen as a pink-collar job.
意味：昔日本では、看護師という仕事は女性が従事する職業と見られていました。

例文： I found an ad featuring a pink-collar job.
意味：女性向けの仕事が特集された求人広告を見つけました。

see pink elephants

「pink」という色名を使ったイディオムには、「see pink elephants」もあります。
直訳すると「ピンクのゾウが見える」ですが、これはアルコールの飲みすぎや麻薬の摂取などが原因で「幻や幻覚が見える・ちらつく」ことを指します。

このイディオムの由来は、ディズニー作品の一つ「ダンボ」のワンシーンです。
ダンボが酔っ払ってピンク色のゾウが行進するという現実ではあり得ない幻覚を見たことから、「see pink elephants」という言い回しが生まれました。

例文： Yesterday I drank so much beer and saw pink elephants.
意味：昨日は幻覚がちらつくほどビールを飲んでしまいました。

例文： Drug addicts see pink elephants even when not taking drugs.
意味：麻薬の常習者は、麻薬を摂取していない時でも幻覚を見てしまいます。

get the pink slip

「get the pink slip」は、「クビになる、追い出される、解雇される、首を切られる、お払い箱になる」という意味で使われるイディオムです。

「pink slip」とは「解雇通知」のことで、以前は給料袋の中にピンク色の紙が入っていると解雇を意味したことからこのイディオムが作られました。
アメリカの日常会話では、「解雇する」を意味する動詞「pink-slip」も使われています。

例文： Due to a massive restructuring, both he and I got the pink slip.
意味：大規模なリストラのせいで、わたしも彼も会社をクビになってしまいました。

例文： He was called into the president’s office to receive the pink slip.
意味：彼が社長室に呼ばれたのは、解雇通知を受け取るためでした。

be tickled pink

「be tickled pink」は、「とても嬉しい、大喜びする、抱腹絶倒する」という意味のイディオムです。
主にオーストラリア英語でよく耳にします。

「tickle」は、「（手や羽根などで身体の一部を）くすぐる」という意味を持つ動詞です。
その意味から派生して、「（人を）喜ばせる、楽しませる、笑わせる」というニュアンスでも使われています。
イディオムでは「be tickled」と受け身形で使うので、「喜ぶ、楽しむ、笑う」という訳が適切でしょう。
「be tickled pink to～」で「～を嬉しく思う」という表現もできます。

例文： I was tickled pink to receive notification of my lottery winnings.
意味：宝くじ当選の通知をもらったので、嬉しくてたまりませんでした。

同じく「とても嬉しい、大喜びする」などを意味するイディオムには、「be over the moon」「be in seventh heaven」などもあります。

strike me pink

イディオム「strike me pink」は、驚いた時に思わず出る「まさか、そんな」という叫び、またショック・憤慨していることを表す時に使われます。
「strike」は「打つ、叩く、殴る」を意味する動詞なので、直訳は「わたしをピンクに打って」です。
頬や身体を叩かれるとその衝撃でピンク色のあざになることから生まれたイディオムと言われています。

pink tea

「pink tea」は、流行やトレンドを取り入れたティーパーティーやフォーマルな親睦会、社交的なお茶会などを指すイディオムです。
主に女性が主催し女性が招待される集まりを意味するので、やはり女性のイメージを持つ「pink」という色名が使われます。

例文： In the past, pink teas were held among aristocratic women to exchange various information.
意味：以前、貴族女性の間では様々な情報交換のためのお茶会が開かれていました。

否定的な意味で使われることもあり、その場合は「排他的な親睦会」や「過度に礼儀正しく洗練されたもの」を揶揄するニュアンスになります。

pink wave

直訳すると「ピンクの波」となる「pink wave」は、政治用語として使われているイディオムです。

このイディオムは、ある選挙期間に女性の立候補者や女性候補者に票を入れる有権者が急激に増えていく様子を表現しています。
その結果、女性の政治家や女性の権利問題を扱う政治家が多く当選するという状況を指す場合もあります。

まとめ

今回は、英語で「ピンク色」はなんと表現するのか、またネイティブスピーカーが日常会話で使う「ピンク」を使ったイディオムを紹介しました。
ピンク色の中にも様々な種類の色味が存在するので、洋服や小物に使われているピンク色を適切な表現で伝えられるように何度も復習しておきましょう。