「トライアンドエラー」ってどんな意味？英語で書く時のスペルや使い方を解説！

黒田莉々 英語研究家 / 翻訳家

三度のご飯の次に英語が大好きな「英語の人」。英文法や英文解釈が大好物。洋書や洋画が大好きで、そこから学んだ「使える英語フレーズ」は数知れず。
米国東部の四年制大学（社会学/文化人類学専攻）をCum Laudeで卒業。帰国後は大手英会話学校の専任講師を経て、大学レベルの英語講師を20年近く経験。

現在、フリーランスで著述業、通訳、翻訳業を営む。集英社よりビジネス英語の指南書「悪魔の英語術」を出版。TOEIC975点、英検１級

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ビジネスシーンなどでよく耳にする日本語の「トライアンドエラー」。
英語ではどんな綴りで書くのか知っていますか？

今回は、「トライアンドエラー」の意味や英語での使い方、類語表現まで解説します。
英語のスペルは日本語と微妙に異なるので、日本語につられずに正しく使えるようにしっかり確認しておきましょう。

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日本語の「トライアンドエラー」とは

日本語の「トライアンドエラー」は、一言で言うと「試行錯誤」という意味があります。
新しいことや難しい課題に取り組む時に、何度も挑戦して失敗しながら解決策を探したり、徐々に成功や目的に近づいていったりする課程を指す言葉です。

「トライアンドエラー」の日本語の類語には、「暗中模索」や「七転八起（七転び八起き）」「悪戦苦闘」などが挙げられます。

「トライアンドエラー」の英語のスペルは？

「トライアンドエラー」つまり「試行錯誤」を英語で表現すると「trial and error」です。
「試行錯誤」と同じく、何度も挑戦と失敗を繰り返しながら改良していくことを表現しています。
「trial」は「試験、努力、取り組み、試み」、「error」は「誤り、間違い」という意味で、どちらも名詞です。

日本語では「トライアンドエラー」と言うことが多いですが、英語の「try」は動詞なので名詞の「error」と同列に置くことはできません。
そのため英語では、「try」の名詞形である「trial」を使います。よって、「try and error」ではなく両方とも名詞で「trial and error」とするのが正しいです。

「trial」の発音は、「trάɪəl」で「トゥライアル/トゥライオー」と発音します。

「trial and error」の使い方

英語の「trial and error」を使った例文で使い方を確認しましょう。
日常会話では、「through trial and error（トライアンドエラーを通して）」や「after trial and error（トライアンドエラーの後に）」というフレーズがよく使われます。

例文： Trial and error is an essential process in developing new products.
意味：試行錯誤は新商品の開発に不可欠な課程です。

例文： Robert has been working on a new app for a year now through trial and error.
意味：ロバートはもう1年間も試行錯誤しながら新しいアプリの開発に取り組んでいます。

例文： I was the first employee to tackle this issue, but through trial and error, I finally solved it.
意味：この課題に取り組むのは社員の中でわたしが初めてでしたが、試行錯誤でようやく解決できました。

例文： After just a little bit of trial and error, Agnes found a solution.
意味：アグネスはほんの少しの間試行錯誤しただけで、解決策を見つけました。

例文： Through trial and error, I have acquired a lot of knowledge in this field.
意味：試行錯誤を通して、この分野に関する知識をたくさん身に付けました。

「試行錯誤を重ねる」「たくさんの試行錯誤を繰り返す」は、「take a trial and error approach」や「many trials and errors」などと表現できます。

例文： I took a trial and error approach and finally completed my masterpiece today.
意味：試行錯誤を重ね、ようやく今日わたしの代表作が完成しました。

例文： It took me a long time to complete it because I used a trial and error approach.
意味：何度も試行錯誤を繰り返したので、完成まで長い時間がかかってしまいました。

例文： Sales of the new product, which went through many trials and errors for half a year, are steadily increasing.
意味：半年も試行錯誤を繰り返した新商品の売り上げが、右肩上がりに伸びています。

例文： After a lot of trial and error, I couldn’t find a solution.
意味：多くの試行錯誤を重ねましたが、とうとう解決には至りませんでした。

「trial and error」の類語は？

「trial and error」以外にも、類語として使える英単語があります。確認してみましょう。

cut and try

「cut and try」は「試行錯誤」とほぼ同じ意味で、こちらは二つとも動詞で揃えられています。

調整や改良を施しながら何度も挑戦するというニュアンスです。
電気や機械関連の技師がアンテナや電線などの長さを切って調整しながら機械がきちんと動作するように直していくという過程から生まれました。

例文： Cut and try is absolutely necessary for this experiment to be successful.
意味：この実験を成功させるには、試行錯誤が絶対に必要です。

例文： We don’t have time for a lot of cut and try on this issue right now.
意味：この問題について、今は試行錯誤を繰り返す時間がありません。

「cut and try」と同じく「試行錯誤」という意味を持つ慣用句では「try and select」も使われています。

attempt

「試行錯誤」を表すには「attempt」という名詞も使えます。「試み、企て」という意味です。
動詞では「～しようと努力する、試してみる、試みる、挑む」という意味になります。

「多くの試行錯誤」と表現する場合は、「many attempts」（多くの試み）、「repeated attempts」（度重なる試み）などと表現できます。

例文： I want this project to be a success, so I’m doing many attempts.
意味：このプロジェクトを成功させたいので、いろいろと試みているところです。

例文： After repeated attempts, we were finally able to implement a feature that was requested by many users.
意味：何度も試した結果、多くのユーザーから要望のあった機能を実装することができました。

「attempt」は改まった場面で使われる硬い表現なので、日常会話では「trial and error」を使うのがおすすめです。

まとめ

今回は、「トライアンドエラー」の意味や英語で書く時の正しいスペルを解説しました。
日常会話で使える例文や類語も紹介したので、ぜひ職場やビジネスシーンで使ってみてくださいね。