英語の助動詞「had better」ってどんな意味？「should」との使い分けをマスターしよう！

Shiho 都内外資系勤務 / ライター

10歳の時に通い始めた英会話教室の影響で英語に興味を持ち、以来20年以上にわたりずっと英語の勉強を続けている。

高校生の時に英語スピーチコンテストで優勝経験あり。語学の有名な某四年制大学の外国語学部英語学科を卒業。留学経験はないながらも、TOEIC L&Rテストでは独学で925点を取得。現在は都内外資系企業にて、日々英語を使いながら仕事をしている。

また、会社員の傍らWebライターとして、英語学習コンテンツの制作にも携わっている。

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「～した方がいい」と訳される英語の助動詞「had better」。
でも英語の「had better」は、柔らかくアドバイスする意味合いが含まれる日本語のニュアンスとは少し異なっているのを知っていますか？

今回は助動詞「had better」の正しい意味やニュアンス、使い方を解説します。
「had better」以外の「～すべき」「～した方がいい」という表現も紹介しますので、場面に合わせて使ってみてくださいね。

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助動詞「had better」

まずは、助動詞「had better」の意味や使い方を確認していきましょう。

「had better」の意味と使い方

「had better」は強く警告したり上から命令したりするニュアンスが含まれ、「～しないと困ったことになる、～しないとまずいことになる」という意味があります。
日本語では一般的に「～した方がいい」と訳され、強い警告や命令のニュアンスが含まれないので注意しましょう。

「had better」の発音記号は「hæd bétər」で、「ハドベタ（ァ）」と読みます。

「had better」の使い方

「had better」は動詞の意味を変化させる助動詞で、後ろには動詞の原形が置かれます。

「had better」の省略形は「’d better」で、日常会話ではよく「I’d better」「you’d better」と省略形で発音されます。
「’d」までも省略して「I better」「you better」と発音するネイティブも少なくありません。

「had better」を使うと、困った事態や状況を避けるために「～した方がいい」と提案することができます。
反対に、良い結果や事態を生じさせるために「～した方がいい」とアドバイスする時に使われることはほとんどありません。
また、上から命令するニュアンスが含まれるので、親が子どもに注意したり言い聞かせたりする時によく使われています。

例文：It looks like a typhoon will pass this weekend, so you’d better postpone your trip.
意味：今週末は台風が来るみたいだから、旅行は延期した方がいい。

例文：I have a presentation tomorrow, so I’d better stay up all night making materials tonight.
意味：明日はプレゼンがあるから、今晩は徹夜で資料を作らないと。

自分に対して「had better」を使う場合には、「～しなくちゃいけない」と自分に言い聞かせるニュアンスになります。

「had better」の否定文

「had better」を否定文にするには、後ろに「not」を付けて「had better not＋動詞の原形」とします。
日本語では「～しない方がいい」と訳されます。

例文：It’s dangerous, so you’d better not play with lighters.
意味：危ないから、ライターで遊ばない方がいい。

「had better」の疑問文

「had better」は疑問文として使われることはほとんどありません。
「～した方がいいですか？」と言いたい時には、代わりに「should」を使います。

「～すべき」「～した方がいい」の英語表現いろいろ

「had better」以外にも、「～すべき」「～した方がいい」と訳せる英語表現はたくさんあります。
いくつか確認してみましょう。

「should」

よく「～すべきだ」と訳される「should」は、実は「had better」よりも柔らかいニュアンスになります。
「had better」がネガティブな結果や事態を避けるための警告に使われるのに対して、「should」はポジティブな結果を生じさせるためにされる提案や、アドバイスをする時に使われます。

「should」の否定形は「should not」です。

例文：You should go to bed early tonight so that you can get up early tomorrow morning.
意味：明日の朝早く起きられるように、今夜は早く寝るべきです。

例文：Should I attend the meeting tomorrow too？
意味：わたしも明日の会議に出席するべきですか？

「would better」

「would better」は「〜した方がいいよ」と提案・アドバイスする表現です。
「had better」よりも柔らかく促すニュアンスになります。

否定形は「would better not」です。

例文：It looks like a typhoon will pass this weekend, so you would better postpone your trip.
意味：今週末は台風が来るみたいだから、旅行は延期した方がいいよ。

「need to」

「～する必要がある」という意味の「need to」も、話し手の意見や提案を相手に伝えることができます。
否定形は「don’t need to」です。

例文：If you forgot to buy a pen, you need to go shopping again.
意味：ペンを買い忘れたのなら、もう一度買い物に行ってもらう必要があります。

「might as well」

今の状況から考えて「〜をした方が良さそうだ」と提案するには「might as well」も使えます。
「他に良い代案や選択肢がないので、この案を選ぶのがいいだろう」というニュアンスが含まれます。

場面によっては「～する方がましだ、どうせだから〜する、～してみてもいい、せっかくだから〜する」などといった訳し方もできます。

否定形は「might as well not」と変化します。

例文：You can’t stop coughing. You might as well take the day off from work and go to the hospital.
意味：咳が止まらないね。仕事を休んで病院に行った方が良さそうだよ。

「might as well」は「他にすることもないから〜をしよう」という意味でも使われます。

「ought to」

助動詞「ought to」は、常識で考えたり客観的に見たりした結果「～した方がいい」と提案やアドバイスをする時に使われます。
義務があって「～した方がいい」という場合にも使います。
否定形は「ought not to」です。

「ought to」には、「had better」よりも柔らかく「should」よりも強く提案するニュアンスが含まれます。

例文：Even if you are busy, you ought to have breakfast every day.
意味：忙しくても毎日朝食をとった方がいいでしょう。

「It might be a good idea to～」

控えめで丁寧な提案をしたいなら「It might be a good idea to～」というフレーズも使えます。
日本語では「〜した方がいいかもしれない」と訳されます。

例文：I haven’t heard any good reviews about that product, so it might be a good idea to purchase another product.
意味：あの商品についてはいい評判を聞かないので、別の商品を買った方がいいかもしれません。

「be supposed to」

「be supposed to」という熟語で、ルールや法律に従って「～しなければならない、本来ならば～するはずだ」と表現できます。
決まっている予定や約束に沿って何かをする時にも使われます。

否定形は「be not supposed to」で、「～してはいけないことになっている、～してはいけないはずだ」などと訳されます。

例文：You’re not supposed to drink and drive.
意味：飲酒運転はしてはいけないはずです。

まとめ

今回は、日本語の「～した方がいい」というニュアンスと少し異なる「had better」の正しい意味や使い方を解説しました。
「～すべき」「～した方がいい」と言う時に使える様々な表現も紹介しましたので、使い分けられるように何度も練習してみましょう。