英語の「目的語」と「補語」の違い分かる？目的語に使えるいろいろな英単語も紹介！

Shiho 都内外資系勤務 / ライター

10歳の時に通い始めた英会話教室の影響で英語に興味を持ち、以来20年以上にわたりずっと英語の勉強を続けている。

高校生の時に英語スピーチコンテストで優勝経験あり。語学の有名な某四年制大学の外国語学部英語学科を卒業。留学経験はないながらも、TOEIC L&Rテストでは独学で925点を取得。現在は都内外資系企業にて、日々英語を使いながら仕事をしている。

また、会社員の傍らWebライターとして、英語学習コンテンツの制作にも携わっている。

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英語の文章を構成する語には、「主語」「動詞」「目的語」などいろいろなものがあります。
今回は特に「目的語」に注目して、目的語とはどんなものなのか、その使い方や目的語の位置に置かれやすい語句を解説します。

混乱しやすい「補語」と「目的語」の見分け方も紹介しますので、英文の基本中の基本である目的語を使いこなせるようになりましょう。

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英文は主に4つの語で構成される

英語の文章は主に、「主語」「動詞」「目的語」「補語」という4つの語で構成されています。
この4つの語を英語で言うと、以下のように表記されます。

省略形はそれぞれ「S」「V」「O」「C」です。

実際の英文にはこれら4つの主要素の他に、より詳しい説明や情報を加える修飾語（略称：M）として副詞や形容詞も追加されます。

英語の目的語とは

それでは、英文の主要素4つの中から「目的語」について掘り下げて考えてみましょう。

英語の「目的語」とは、動詞の表す行為の影響を受ける対象や動作の目的のことです。
日本語の「～を」や「～に」に当たる部分に相当し、名詞や名詞に準ずる語句のみが使われます。

目的語は主に、他動詞の後ろや前置詞の後ろに置かれます。
他動詞は単独では文が成り立たないため、他動詞を使う場合は後ろに必ず目的語が必要になるのです。

他動詞の見分け方

他動詞を見分けるには、動詞そのものの意味の中に「～を」「～に」などの日本語の助詞に相当する部分が含まれているかを確認します。
「～を」や「～に」が含まれていれば、その動詞は他動詞です。

英語の文型を分類すると5つに分けられますが、その中で「目的語」を使うのは第3文型（SVO）、第4文型（SVOO）、第5文型（SVOC）の3文型です。
以下の例文では、それぞれ「my room」「her daughter / a hat」「the front door」が目的語になっています。

例文：I cleaned my room.
意味：わたしは部屋を掃除しました。（第3文型）

例文：Janet bought her daughter a hat.
意味：ジャネットは娘に帽子を買ってあげました。（第4文型）

例文：He left the front door unlocked.
意味：彼は玄関のカギを開けたままにしました。（第5文型）

目的語にはどんな英単語が使えるの？

前述したように、目的語として使えるのは名詞と名詞に準ずる語句だけです。
名詞に準ずる語句には、名詞のような役割を持つ名詞句や、「主語」「動詞」を含む2語以上がセットになって作られる名詞節などがあります。

目的語として使える英語を一つひとつ確認しておきましょう。

名詞 / 代名詞

最もよく使われる目的語は名詞そのものや代名詞です。
名詞には、人の名前や物事・場所・方向・概念の名称などが含まれます。

代名詞は、一度使われた名詞が重複して登場することを避けるために、代わりに使われる単語のことです。
代名詞には、人称代名詞（my、us、you、his、themなど）や指示代名詞（this、those、suchなど）、不定代名詞（other、something、anyoneなど）がよく使われます。

例文：Robert had them give speeches.
意味：ロバートは彼らにスピーチをさせました。

例文：Please bring that one to the meeting tomorrow.
意味：明日の会議には、あれを持ってきてくださいね。

the+形容詞

「the＋形容詞」の形で、形容詞を名詞として使うことができます。
例えば「the rich」で「お金持ち（の人）」、「the sick」で「病気の人」、「the impossible」で「不可能なこと」、「the dark」で「暗闇」という意味です。

「the＋形容詞」も名詞の一種になるので、目的語の位置に置くことができます。

例文：I enjoy learning the unknown.
意味：まだ知らないこと（未知のこと）を勉強するのは楽しいです。

例文：A single nurse cares for many of the sick.
意味：看護師が一人でたくさんの病気の人を看病しています。

動名詞

動詞を「～ing」形にした動名詞も名詞のように使えるので、目的語の位置に置けます。
動名詞は「～すること」と訳されます。

例文：My father loves fishing on the weekends.
意味：父は週末に釣りをすることが大好きです。

例文：Nancy stopped attending that cram school.
意味：ナンシーはあの塾に通うのをやめました。

to不定詞

動詞の原形に「to」を組み合わせたto不定詞も、名詞句の一種です。
to不定詞には形容詞や副詞のように使うものもありますが、目的語として使えるのは名詞的用法で「～すること」と訳されます。

例文：I started walking every morning for my health.
意味：健康のため毎朝ウォーキングし始めました（ウォーキングすることを始めました）。

例文：On the way home, I forgot to stop at the supermarket.
意味：帰り道、スーパーに寄るのを忘れていました。

間接疑問文

間接疑問文とは、「主語」と「動詞」を含む2語以上がセットになって作られる名詞節です。
疑問文を名詞化できるので、やはり目的語として使えます。

例文：Let me tell you how to make those cookies of that cafe.
意味：あのカフェのクッキーをどうやって作るのか教えましょう。

例文：He didn’t know where Jane had gone.
意味：彼はジェーンがどこに行ってしまったのか知りませんでした。

that節

that節も名詞節の1つで、目的語の位置に置けます。

例文：I know that you used to live in this town.
意味：きみが以前この町に住んでいたことを知っていますよ。

例文：Have you heard that the head office will be visiting our branch office tomorrow?
意味：明日、本社の方がこの支社を訪問されることを聞いていますか？

前置詞の後ろにthat節が来る場合には前置詞は省略されるので注意しましょう。

what節

関係代名詞節の「what～」も、「～（する）こと」と名詞のように使えるので目的語になります。

例文：His mother was very angry at what Donald did.
意味：ドナルドのしたことに彼の母親はとても怒りました。

例文：I didn’t understand what the professor was trying to say.
意味：教授の言いたいことを、わたしは理解できませんでした。

引用句

目的語の位置には、二重引用符（ダブルクォーテーションマーク）で囲まれた引用句やセリフが置かれることもあります。

例文：She never says “ok” to me no matter what I ask her to do.
意味：彼女は何をお願いしても「OK」と言ってくれません。

例文：We say “hello” many times in a day.
意味：わたしたちは一日に何度も「こんにちは」と挨拶します。

英語の補語とは

英語の補語とは、文章に足りない意味や情報を補う語のことです。
主に「名詞」と「形容詞」が使われますが、動詞の原形や副詞、2単語以上の句や節などが置かれることもあります。

英語の5文型のうち、「補語」を使うのは第2文型（SVC）と第5文型（SVOC）です。
以下の例文では、それぞれ「a designer」「impressed」が補語になっています。

例文：My mother is a designer.
意味：わたしの母はデザイナーです。（第2文型）

例文：Timothy’s speech made the president impressed.
意味：ティモシーのスピーチは社長を感動させました。（第5文型）

目的語と補語の見分け方

目的語と補語は似た位置に置かれるため、見分けが付きにくいと悩むこともあるかもしれません。
そんな時は以下の2点を確認して判断しましょう。

主語や目的語とイコールの関係になっているか

補語は第2文型（SVC）では主語（S）と、第5文型（SVOC）では目的語（O）とイコールの関係になります。

例えば、以下の例文（第2文型）の主語（S）は「My mother」で、be動詞の「is」が動詞（V）です。
動詞の後ろの「a designer」は「My mother」がどんな人なのか説明しているので、主語とイコールの関係である、つまり補語だと判断できます。

例文：My mother is a designer.
意味：わたしの母はデザイナーです。

また、以下の例文（第5文型）では、主語（S）は「Timothy’s speech」で、動詞（V）は「made」です。
動詞の後ろの「the president」は、「Timothy’s speech」の説明にはなっていない（イコールの関係ではない）ので目的語と分かります。
一方、その後ろの形容詞「impressed」は「Timothy’s speech」とイコールになっているので、こちらは補語です。

例文：Timothy’s speech made the president impressed.
意味：ティモシーのスピーチは社長を感動させました。

何の品詞が使われているか

補語と目的語は、その部分に何の品詞が使われているかで見分けられることもあります。
目的語は「名詞」だけが使えるのに対して、補語は「名詞」と「形容詞」のどちらも置くことができるからです。

補語は「主語や目的語とイコールの関係になっているか」で見分けるのが基本ですが、「形容詞が使われていれば補語である」という判断基準も覚えておきましょう。

まとめ

今回は、目的語とはどんな語なのか、目的語として使われる語句もあわせて解説しました。
英文の基本である目的語の使い方や、間違えやすい「補語」との違いをしっかり頭に入れておきましょう。